3%賃上げ要請 労使に警戒感 議論先送りや中小との格差拡大懸念 (1/2ページ)

安倍晋三首相=首相官邸(斎藤良雄撮影)
安倍晋三首相=首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】

 2018年春闘の方針決定に向け、労使それぞれの議論が佳境を迎えているが、安倍晋三首相が経団連の榊原定征会長に「3%の賃上げ」を要請したことで混乱が起きている。経団連では働き方改革で残業時間が削減されても給与が減らないような対応を先行させるとし、首相要請に対する議論開始は12月以降に先送りする考えだ。労働組合の中央組織である連合も、大企業だけが賃上げすれば格差拡大が問題になると、警戒感を示している。

 「官製春闘」とも呼ばれる安倍首相からの経済界への賃上げ要請は、5年連続だが、今回初めて具体的な数値が示された。

 しかし、経営側の春闘指針「経営労働政策特別委員会報告」を取りまとめる経団連では、この問題は当面議論できない状況だ。残業減による給与の減少対策が喫緊だからだ。長時間労働の是正として、残業時間を削減すると残業代も大幅にカットされる。大和総研は月60時間の残業に抑えられると、残業代は年間8兆5000億円減少すると試算するなど影響は大きい。

 個人消費拡大のために賃上げを進めてきた中、残業減でも給与水準を維持するような制度を各社が盛り込むような提案を進める。

 子育て関連手当の拡充や、残業時間にかかわらず一定の残業代を支払う制度などが想定され、これらの方策を固めてから、3%賃上げ要請に対する議論に入る。

首相・経団連・連合、各々のコメント