【専欄】党規約の改正から見えること 元滋賀県立大学教授・荒井利明 (1/2ページ)

 先月開催された中国共産党第19回大会では、党の憲法ともいうべき党規約がかなり大幅に改正された。この改正を通じて、党の現在、および今後のありようがある程度把握できるように思われる。

 改正は107カ所に及ぶが、最大の改正点は各メディアが大きく伝えたように、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」が党の「行動指南」(行動指針)として位置付けられたことである。

 これに関連して、党員は義務としてこの「習近平の思想」を真剣に学習すること、党の各レベルの幹部はこの「習近平の思想」を率先して実践することが定められた。

 興味深いのは、党が組織原則として堅持する「民主集中制」に関する改正である。

 改正規約では、「政治意識」「大局意識」「核心意識」「一致意識」をしっかりと確立して、「習近平同志を核心とする党中央の権威と集中的統一指導を固く擁護すること」が新たに盛り込まれた。「民主」よりも「集中」に重きを置いた改正である。

 また、規律や反腐敗に関する規定も強化された。

 こうした改正の背景にあるのは、習近平の前任の党総書記だった胡錦濤の時代には「集中」よりも「民主」が重んじられ、結果として優柔不断の決定先送り状況が生まれ、さらには、党中央指導部の決定が下部の党組織において十分に実行されなかったという反省だろう。胡錦濤時代が「反面教師」になっているのである。

 ただ、「集中」が過度に優先されて「民主」が軽視されれば、逆の弊害が生まれるのも間違いないだろう。両者のバランスをどのようにしてとるかは、中国共産党にとってなお、未解決の課題といえよう。

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