【数字から見える千葉】カブの収穫量全国1位 地域資源活用し町おこしを (1/2ページ)

ちばぎん総研研究員、黒島麻友
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 □ちばぎん総研調査部研究員・黒島麻友

 千葉県は全国トップのカブの産地である。平成28年の収穫量は3・6万トンと2位の埼玉県(同1・7万トン)に大差をつけ、全国シェアは3割近くを占めている。県内の主なカブの産地は柏市、東庄町、松戸市で、なかでも柏市は市町村別で全国1位の生産量を誇り、これから冬場に向けて出荷は最盛期を迎えようとしている。

 春の七草のスズナとして親しまれてきたカブは、アフガニスタンや地中海沿岸地域が原産地といわれ、ヨーロッパでは紀元前から栽培されてきた。日本には弥生時代に中国から伝わったとされ、「日本書紀」には持統天皇が主食を補う作物として栽培を奨励したという記述があるなど古い歴史をもつ。

 カブの品種は、西日本で広く栽培される大カブ(千枚漬け用など)と小カブに大きく分かれるが、県産カブは後者になる。小カブ栽培が県北部に根づいたのには諸説あるが、春先の青物が少ない時期に出荷できるように明治期に品種改良された金町小カブ(東京府南葛飾郡金町村)が、大正期に江戸川を越えて県内に定着したという説も有力だ。

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