たばこ増税、１本３円で調整　政府・与党、来年１０月から３年かけ

　政府が、２０１８年度の税制改正で検討しているたばこ税の増税について、来年１０月から３年かけて１本当たり３円程度引き上げる案を軸に与党との調整に入った。紙巻きたばこより税額が低い加熱式たばこの増税も検討する。

　ただ、自民党内では、葉タバコ農家への影響に配慮して増税への反対論も強く、来月１４日の与党税制改正大綱の決定に向け、調整が難航する可能性もある。

　まず来年１０月に１本当たり１円増税し、１９年は消費税増税と重なるためいったん見送って、２０年と２１年にそれぞれ１円ずつ引き上げる案がある。３円の増税になると、２０本入りの１箱当たりで６０円の増税になる。

　たばこ税の増税が実現すれば１０年１０月以来８年ぶりとなる。１０年は１本当たり３．５円増税され、主要銘柄で１箱１１０～１４０円の値上げになった。

　３円の増税で見込まれる増収分は２０００億円超。その分は消費税率１０％への増税時に食料品などに適用される軽減税率で不足する財源の穴埋めに充てる方針だ。

　政府は軽減税率の導入で減る約１兆円の税収のうち約４０００億円は低所得者の医療や介護費負担を軽くする「総合合算制度」の創設見送りで賄うことを決めているが、残る６０００億円の財源確保が課題となっている。