JA全中、コメ生産調整の全国組織提案 減反廃止後の“つくり過ぎ”防ぐ 農政改革の効果薄まる?

 全国農業協同組合中央会(JA全中)は9日、平成30年産米から国が全国の生産目標を策定して配分する生産調整(減反)制度が廃止されることに伴い、需要に応じた生産を促す政策提案を発表した。生産者団体や流通業者などで構成する全国組織を立ち上げ、国内生産が過剰にならない仕組みを議論する。JA全中は10日の自民党の農林関係会合で提案し、政府が今月中に具体策をまとめる方針。

 生産調整は国が定めた全国の数量目標を都道府県、地域別へと細かく配分していく仕組み。少子高齢化や食生活の洋風化などで、主食用米の消費量が年間8万トンペースで減少する中、価格が下落しないよう全国の生産を抑制してきた。

 JA全中の提案では、生産者団体や外食産業の団体などで構成する全国組織が需要や生産状況を細かく分析し、農家に需要に応じた生産を促す。

 減反廃止後、国は需給見通しなどの情報を提供するにとどまり、主に市町村単位の「地域農業再生協議会(再生協)」が各農家の生産目標を調整する。ただ、減反廃止で主食用米の増産に踏み切る農家が出れば、結果的に過剰生産に陥る懸念がある。

 一方、農林水産省は、長期の栽培契約で経営が安定する業務用米などへ転換するなど、農家が生産調整に頼らず、自らの経営感覚を磨くことで、農業の成長産業化を目指す。全国組織による過度な生産調整が維持されれば、農政改革の効果は薄れかねない。