中国、「対北制裁」を確約 どこまで履行? (1/2ページ)

 【北京=黒瀬悦成】トランプ米大統領は9日、中国の習近平国家主席との首脳会談で、北朝鮮の「完全かつ検証可能、恒久的な非核化」に向け、中国に「国連安全保障理事会の全ての北朝鮮制裁決議の厳格な履行」を確約させた。だが習氏は、トランプ氏の求めに応じてどこまで北朝鮮を追いつめていく意思があるのだろうか。

 「あなたは強い男だ。私のために(北朝鮮)問題を解決してくれると確信している」

 会談に同席したティラーソン国務長官が記者団に明らかにしたところでは、トランプ氏は習氏にこう語りかけ、北朝鮮に対する影響力行使を促した。

 ティラーソン氏は「習氏は北朝鮮の核保有を認めないという立場を明確にしている」と指摘し、北朝鮮を核放棄に向けた交渉のテーブルにつかせるよう米中が連携を深めていくことの重要性を強調した。

 米政府高官は、中国が安保理による9月の北朝鮮制裁強化決議の採択を受け、中国の金融機関に北朝鮮との取引停止を命じたり、中朝国境ビジネスの制限に動いたりしたことを「想定以上の前向きな動きだった」と評価する。

 ティラーソン氏によれば、習氏はトランプ氏に「制裁の効果が上がるには時間がかかる」と理解を要請。これに対し米政権は「中国は安保理決議を履行している」との認識から理解を示しつつ、「中国にはもっとできることがあるはずだ」と指摘する。

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