金正恩政権、米中会談見極め 軍事的挑発“解禁”も (1/2ページ)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(朝鮮通信=共同)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(朝鮮通信=共同)【拡大】

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金(キム)正(ジョン)恩(ウン)政権が最も注視してきたのが、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談だ。50日以上、軍事的挑発に出なかった裏には米中の出方を見極める思惑もうかがえる。米中が今回、対北圧力強化で一致したこともあり、北朝鮮はトランプ氏のアジア歴訪後、新たな挑発に打って出るとの見方が強い。

 「強大な経済力と核、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を持ちながら、帝国主義者らの強権に押され、ずうたいに値しない国もある」。朝鮮労働党機関紙、労働新聞は9日、論説でこう指摘した。米国に押し切られ、国連の対北制裁に賛成した中国への当てつけと読み取れる。

 これまでも名指しこそ避けつつ、制裁に同調した中国を非難。一方で、2日付労働新聞の1面に習氏が金正恩党委員長に宛てた祝電への謝意を掲載した。

 貿易の9割を依存し、原油供給という“生命線”を握る中国に対し、「不満だが、関係を切るわけにはいかない」という複雑な立場をのぞかせてきた。

 北朝鮮経済について、韓国情報機関の国家情報院は「制裁の中、何とか持ちこたえるレベルを維持している」と分析する。制裁が徹底されれば、経済成長率は来年、最大マイナス5%まで下落すると予測する。北朝鮮は9月下旬以降、金委員長の工場や農場視察を盛んに宣伝している。経済に打ち込む姿を国民に見せることが先決だと判断したようだ。