シンガポール、「砂不足」でも国土拡張継続 使用済み建材など再利用 (1/2ページ)

シンガポールの南西沖合で埋め立て用の砂を運ぶタグボート(ブルームバーグ)
シンガポールの南西沖合で埋め立て用の砂を運ぶタグボート(ブルームバーグ)【拡大】

 シンガポールは面積278平方マイル(約720平方キロ)と、米ニューヨーク市よりも小さく、埋め立てにより国土を拡張してきた。この国で砂は石油や水と同じように貴重な資源だが、このところ、その安定調達の雲行きが怪しくなっている。

 ◆60年以降面積24%増

 シンガポール土地管理局(SLA)のデータによれば、シンガポールは輸入した砂で海岸を埋め立てて、1960年以来、国土面積を約24%拡張してきた。世界有数の船荷取扱量を誇る港湾や、世界一の称号を受けた空港など、シンガポールの主要資産は過去には存在しなかったものだ。奇抜なデザインで有名になったマリーナ・ベイ・サンズなどシンガポールの摩天楼を象徴する数々の新たな超高層ビル群も然りだ。

 シンガポールが海岸線を拡張し続けるためには安定した砂の供給確保が必要だが、年月を重ねるにつれ、それが一段と難しくなっている。インドネシアやベトナムなど、これまでシンガポールに最も多く砂を供給してきた国々は、環境問題、そして海上輸送路や国境・領海をめぐる政治的配慮から、砂の輸出の一部を停止している。

 ◆カンボジア出荷停止

 最も新しい動きとしては、カンボジアが7月にシンガポールへの砂の出荷を禁じた。マングローブ林付近での大規模な砂の浚渫(しゅんせつ)・採取による悪影響に警鐘を鳴らす活動家らの強い要請を受けた措置だ。

 国連のデータによると、シンガポールの昨年の砂輸入量は3860万トン、その半分以上がマレーシアからきている。マレーシアの天然資源・環境省によると、同国の当局は昨年、全面的な砂の輸出禁止を見直し、個々の案件に応じて購入を認めているという。

 シンガポール政府は砂の輸入が滞った場合に備え、「さまざまな国々からの他の資源を利用したり、土地を埋め立て造成するための代替手段を探すなど、複数の措置を取る用意がある」と言明している。

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