貿易・対北・南シナ海… 中国、くすぶる難題を「札束」で蓋 米中首脳会談 (1/2ページ)

 ■“ビジネスマン”米大統領と巨額商談

 【上海=河崎真澄】北京の人民大会堂で9日、トランプ大統領と習近平国家主席が見守る中、エネルギーや航空機など米中の巨額商談が続々調印され、会場は大きな拍手に包まれた。8日調印分と合わせて総額2535億ドル(約28兆8千億円)に上った契約規模について中国の鍾山商務相は「世界の経済貿易協力で史上最高の新記録を作った」と自賛した。

 調印されたのは、アラスカでの液化天然ガス(LNG)開発への中国からの投資430億ドルや、中国によるボーイングからの航空機300機調達で370億ドルなど、かねて交渉中の案件の“総まとめ”だった。

 中国側は数字を1カ所に積み上げることで、対中強硬姿勢を公約に掲げて1年前の大統領選で当選したトランプ氏に、貿易不均衡の解消や雇用増大など米国の世論に向けて大きな“お土産”を持たせた。

 ロシア疑惑や政策停滞で、支持率が落ち込んだトランプ政権には“恵みの雨”になる。

 その背景として、「2期目に入った習指導部は、政治も含む幅広い分野での対米ディール(取引)で、ビジネスマン気質が濃厚なトランプ大統領に札束外交のカードを切った」(日中関係筋)との分析がある。

 訪中前にトランプ大統領が、「巨額でひどい。金額を言うのも恥ずかしい」とまで厳しく批判した対中貿易赤字(昨年で3470億ドル)のみならず、北朝鮮問題をめぐる温度差、南シナ海や東シナ海での緊張、中国内の人権問題など、米中間にくすぶる難題を一時的にせよ、札束で“蓋”をすることにこぎつけた。

米国企業にとっても中国市場の吸引力は強大