APEC首脳会議開幕へ ドゥテルテ比大統領、南シナ海問題で「中国の真意問う」

 【ダナン=田中靖人】日米中など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が10日、ベトナム中部ダナンで開幕する。

 異例の1日間延長で8、9の両日行われた閣僚会議では、貿易赤字の削減を目指し多国間よりも2国間での「公正な貿易」を重視する米国と、複数の加盟国との間で閣僚声明の文言で対立し、声明の公表に至らなかった。10日開幕の首脳会議でも、米国の保護主義的な傾向に懸念が表明されるとみられる。首脳会議は11日に閉幕する。

 また、フィリピンのドゥテルテ大統領は8日、APEC出発前の記者会見で、南シナ海の領有権問題について「中国の真意を問う」と述べており、会議での発言が注目される。

 関連会合では、訪中を終えたトランプ米大統領が北京からダナン入りし、10日午後に演説を行う。トランプ氏は平行してロシアのプーチン大統領と会談するとの観測も浮上しているが、ロイター通信によると、北京に同行中のティラーソン米国務長官は9日、「(会談の)合意はない」と否定。事務レベルで調整が続いているもようだ。中国の習近平国家主席も10日にダナン入りし、関連会合で演説する。

 ダナンの国際空港には9日午後から各国の首脳が続々と到着し、会場となる海岸近くの一帯は、道路が封鎖されるなど厳重な警備体制が敷かれた。