下水道インフラ輸出巻き返し 「品質は世界トップ級」、国交省が技術展開支援 (3/3ページ)

ベトナム・ホーチミン市の下水道管路。フランス統治時代に建設されたものが多く、老朽化が進む(積水化学工業提供)
ベトナム・ホーチミン市の下水道管路。フランス統治時代に建設されたものが多く、老朽化が進む(積水化学工業提供)【拡大】

  • 東京都品川区の国内最大級の直径約10メートルの巨大下水道管。写真は完成前のツアー=2010年

 経済産業省によると、世界の水ビジネス市場は13年の82兆円から20年には100兆円超と大幅に拡大する見通しだ。このうち下水道関連の伸びは全体の約半分に当たる約9兆円とされている。ただ、中国や韓国メーカーの進出もめざましく、「高品質だが低価格とはいえない日本企業が不利な面もある」(国交省)という。

 中小企業も多い日本の下水道関連企業が海外で受注を増やすには、政府の後押しが欠かせない。ワウプロもこの一環だが、国交省は今年8月、国際協力機構(JICA)との連携で、都市開発の計画段階からの下水道インフラ事業受注を盛り込んだ「下水道ビジョン加速戦略」を策定し、効果的な海外戦略に本腰を入れている。

 波及効果の高さも無視できない。建設分野では東南アジアを中心に、「BIM(ビム)」と呼ばれる3次元(3D)データを活用する設計・施工管理が不可欠となりつつあり、日本の大手ゼネコンの施工効率化に生かされている。下水道分野でもこうした低コスト・短工期を生み出す技術の“逆輸入”が期待される。

 重要な社会インフラである下水道事業の品質が認知されれば、その上を走る鉄道インフラ輸出などにも弾みが付く可能性がある。

 国交省の担当者は「日本企業が事業を進めるには、相手国に下水道インフラの重要性を啓発することも必要」として官民一体の市場形成を続けていく。(佐久間修志)