【専欄】バブルの象徴が完全復活 拓殖大学名誉教授・藤村幸義 (1/2ページ)

 中国経済は昨年秋から成長率がやや持ち直し、表向き順調に推移しているかに見える。ところがその実態をみると、財政、金融両面からの景気刺激策によって、市中には余剰資金があふれ、再びバブル経済の危険性が指摘されている。

 とりわけ注目されるのは、2008年秋のリーマン・ショック後に発生した大規模なバブル経済の中で、悪名をとどろかせた「理財商品」「融資平台」「土地使用権の有償譲渡収入」といった仕組みが完全復活していることである。

 国際通貨基金(IMF)はこの夏に発表した今年の中国経済に関する年次報告の中で、官民の債務規模が危険レベルに達していて、新たな金融危機を引き起こす恐れがあると警告している。とにかく銀行など金融機関はいくらでも貸してくれるので、官民ともに債務が急ピッチで増えている。

 どうにも理解できないのが、資産運用商品である理財商品の急増だ。高利回りだが、リスクも大きい。リーマン・ショック後に数多く出回り、しかも貸付先の焦げ付きで期限が来ても償還できない商品が多発した。シャドーバンキング(影の銀行)とも言われ、金融不安を引き起こす元凶となった。

 中国政府も一時は監督を強化し、勢いは衰えたかに見えたが、実際にはそうではなかった。いつの間にか息を吹き返し、全国の約500の金融機関が発行している理財商品は、昨年末時点で7万4200本。金額では29兆500億元(約496兆円)と昨年比で2割以上も増えている。