M&A審査中断に悲鳴 EU当局が厳格化、企業の成長戦略に支障 (1/3ページ)

ブリュッセルにあるEUの欧州委員会ビルの前にたなびくEU旗。欧州委が進めるM&A審査の厳格化に対し、企業から不満の声が強まっている(ブルームバーグ)
ブリュッセルにあるEUの欧州委員会ビルの前にたなびくEU旗。欧州委が進めるM&A審査の厳格化に対し、企業から不満の声が強まっている(ブルームバーグ)【拡大】

 欧州連合(EU)の反トラスト(独占禁止法)当局が進めるM&A(企業の合併・買収)審査の厳格化に対し、企業から不満の声が上がっている。審査を中断するケースが後を絶たないからだ。関係者からは「審査の中断が買収・統合計画の遅れにつながり、企業の成長戦略にも支障をきたす恐れがある」との声も上がっている。

 「天文学的な費用」

 EUのM&A審査過程では、大部分の案件が1段階目の「フェーズI」で、2カ月以内に承認を受ける。しかし、企業が当局の懸念をすべて払拭できなければ、EUの行政執行機関である欧州委員会は詳細な審査「フェーズII」を開始する。この場合、審査は少なくとも90営業日、つまり約4カ月間延長される。

 このフェーズIIにおいて、2回の審査中断が起こるのが通例になりつつある。ブルームバーグがまとめたデータによると、2015年11月以降にフェーズII入りした案件の約30%がこれに該当した。13年11月~15年10月はわずか5%だった。

 独化学大手バイエルによる米種子農薬大手モンサント買収計画も当局による審査中断の影響を受けた。

「期間が長引くのは企業側に問題があるからだ」と反論