トランプ氏試すFRB人事 大幅刷新で景気加速の維持なるか

2日、米ホワイトハウスでFRB次期議長にジェローム・パウエル氏(左)を指名したトランプ大統領(ブルームバーグ)
2日、米ホワイトハウスでFRB次期議長にジェローム・パウエル氏(左)を指名したトランプ大統領(ブルームバーグ)【拡大】

 「常に自分の仕事は完璧」と主張するトランプ米大統領は、米連邦準備制度理事会(FRB)首脳を大幅刷新する人事をめぐって真のテストに直面している。

 大統領が次期FRB議長にパウエル理事を指名すると発表したことが、空席となっている他の理事ポストにどのような人材を起用するかのヒントになるとすれば、それは株式市場の活況と史上3番目の持続的な米景気拡大を維持しようと、安全策を取るということだろう。

 ワシントン政界の「泥沼を浄化する」との公約を掲げたトランプ大統領だが、FRBをそうしたアプローチの対象に加えるのは経済的にも政治的にもあまりにもリスクが大きい。

 シカゴ連銀で4年間の勤務経験があるノーザン・トラストのチーフエコノミスト、カール・タネンボーム氏は2日の大統領の発表について、「FRBの顔ぶれ変更に関する私の懸念は先週、大幅に後退した。パウエル氏が物騒な人物でないことは確かだ」と語った。

 しかし、FRB理事ポストには現在副議長を含めて3つの空席がある。イエレン氏が来年2月の議長任期満了に伴って、2024年1月末までの理事任期を全うせずにFRBを去ることになれば、空席は4つに増える。

 さらに6日には、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が来年半ばで引退する意向を明らかにした。ニューヨーク連銀総裁のポストはウォール街との主要なパイプであり、計12人の地区連銀総裁の中で最も影響力が大きい。

 イエレン議長率いる米金融当局が、トランプ大統領が自分の手柄と主張するこのところの景気加速と株高の基礎作りをしたといってもほぼ間違いない。今後、大統領が指名した人々が政策運営に当たる中で状況が悪化した場合、一連の刷新人事は大統領にリスクを突き付けることになる。(ブルームバーグ Christopher Condon)