【高論卓説】安保大改革、安定政権に期待 北緊迫、他国頼みの防衛がリスク (3/3ページ)

 希望的観測としては「米軍が電撃的に一挙に北朝鮮の反撃能力を壊滅することに期待」となるが、常識・現実的には、米軍が勝利はするものの、かなりの返り血、特に地理的に近接している韓国や日本には深刻な被害が出るとみるのが当然だ。ソウルと東京で200万~400万人の死者が出るとの予測もある。

 いずれにしても、考えれば考えるほど、自国の防衛を他国に委ねるリスクが顕在化するわけであり、トランプ氏に「日本は武士の国だ」と言われるまでもなく、われわれは本格的に自らの防衛を考えなければならない。

 そもそも、他国の大統領に、自国の拉致被害者・家族に、「面会」していただいて、多少なりとも留飲を下げている事態に違和感を持つのは私だけであろうか。

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【プロフィル】朝比奈一郎

 あさひな・いちろう 青山社中筆頭代表・CEO。東大法卒。ハーバード大学行政大学院修了。1997年通商産業省(現経済産業省)。プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)代表として霞が関改革を提言。経産省退職後、2010年に青山社中を設立し、若手リーダーの育成や国・地域の政策作りに従事。ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授。44歳。