【仮想通貨の衝撃(1)】2017年は「革命元年」 予想できないほどの可能性が広がる (3/4ページ)

仮想通貨はこれまでの概念では理解も予想もできないほどの大きなインパクトを経済社会にもたらす可能性を秘めている(ブルームバーグ)
仮想通貨はこれまでの概念では理解も予想もできないほどの大きなインパクトを経済社会にもたらす可能性を秘めている(ブルームバーグ)【拡大】

 遅れる法制整備

 ビットコインについていえば、米国では通販大手のアマゾンで買い物ができたり、オンライン旅行会社大手のエクスペディアでは一部の旅行商品の決済も可能になっている。市中にも利用可能な店舗が増えてきた。日本でも、ビックカメラなどの大手家電量販店で利用できるほか、9月23日からは旅行大手のHISが取り扱いを始めた。本格的な普及が始まる機運にある。

 半面で、制度や環境の整備は大きく立ち遅れている。というよりも、より正確に言えば、現行の法制や税制では対応が困難な面も多いと考えられている。

 日本政府は16年3月、ビットコインを「貨幣」と認めた。今年7月には、その購入時に課せられていた消費税を廃止。同9月には、ビットコインの含み益については所得税を適用する旨の方針を示した。しかし、「技術的には差し押さえさえもできない上、仮想通貨間の取引が続く限りその捕捉さえもできない可能性がある。現行の徴税システムでは、対応が難しいのではないか」(税務調査コンサルタントでもある菊川敬規税理士)とみられている。

 しかも、これははじまりにすぎない。仮想通貨は、サイバー上で富を自由自在に移転させていく。そこには従前の国境といった概念もない。利用規模によっては、外国為替市場を通じた各国通貨間の調整機能も喪失することだろう。

 通貨には取り引きの円滑性をはじめとする利便に加え、中央銀行の登場後は経済政策の舞台にもなっている。世界の多くの国では、貨幣の供給量や金利を操作することで物価や景気を安定させる、といった金融政策がとられてきた。

 発券銀行としての中央銀行は、銀行の銀行、政府の銀行として経済秩序の維持など大きな役割を担っている。そうした機能もまた、当然のことながら仮想通貨にはないし、その一部を利用することも難しいだろう。このため、経済学者からも、その存在を危険視する声がある。ただ、人為的なコントロールにも問題がないわけではない。

経済学者ハイエクが考えた通貨の形に少し近い