【仮想通貨の衝撃(2)】物理的な制約で偽造・改竄を防止、銀行介さず直接取引 (1/3ページ)

仮想通貨は現代の“金鉱”ともいえる過熱ぶりをみせはじめた(ブルームバーグ)
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 コンピューター上の台帳

 仮想通貨の代表格であるビットコインは、ナカモト・サトシを名乗る人物が投稿した論文に基づき、2009年1月に使用が始まった。「ピア・トゥー・ピア(P2P)」といわれる形態のシステム上で運用されている。

 よくあるネットワークシステムは「クライアントサーバーシステム」と呼ばれるタイプのものだ。これは、接続された端末を束ねる“親”の役割を担うサーバーと、そのもとで個別の作業にあたる“子”としてのクライアント(端末)に役割分担した構造になっている。

 これに対し、「ピア・トゥー・ピア」には“親”にあたるもの、つまりサーバーがない。ピア(peer)は同等、仲間、同僚といった意味の英語。「ピア・トゥー・ピア」は、その名の通り、同等あるいは同じ立場のコンピューター同士を接続したシンプルなシステムだ。家庭内や小さな企業内でパソコン同士をケーブルなどで接続してLAN(構内情報通信網)を構成することは多いが、「ピア・トゥー・ピア」はまさにこの状態のことだ。

 このため、小規模な簡易LANといったイメージを持たれやすい。しかし、実際はさまざまな規模に対応可能な上、設定も運用も容易だ。

 現に巨大システムであるビットコインはこうしたシステム上で成り立っており、このシステムのメリットを最大限に生かす格好になっている。

 その最大の特徴は、この「ピア・トゥー・ピア」で結ばれたコンピューター上で公開され、検証された上で記録される“台帳”だ。台帳といっても、扱われているのは取引履歴などをまとめたデータのかたまりである。個々の取引履歴は1つのブロック(区画)に格納され、さらに、このブロックは直前のブロックと連結。ブロックはこうした形で数珠つなぎになっており、部分的な改竄(かいざん)などができないようになっている。

ビットコインの偽造を防ぐ“物理的な制約”