【仮想通貨の衝撃(3)】「1万円が1億円」ビットコイン長者が続々も…周辺に潜むリスク (3/3ページ)

家電量販店であるビックカメラの店頭。ビットコインでの決済が可能な店舗も増えてきた(ブルームバーグ)
家電量販店であるビックカメラの店頭。ビットコインでの決済が可能な店舗も増えてきた(ブルームバーグ)【拡大】

  • ビットコインの両替サービスを提供する端末(ブルームバーグ)

 取引所が経営破綻

 ビットコイン、イーサリアム、リップル…。いまでは仮想通貨も手軽に取引が可能になっている。サイバー上には取引所や交換所が置かれ、仮想通貨間に加え米ドルや日本円との両替も行われている。

 ただし、前述の通り仮想通貨を取り巻く制度や規制はまったくの未整備状態である。これは、利用者の保護という面についても同様だ。利用の結果については完全に自己責任の世界となる。

 仮想通貨の場合、その荒い値動きがよく指摘される。短期の投資となれば、それこそ、実態はギャンブルに挑むのと同じ覚悟が必要かもしれない。これに加え、黎明期ならではのリスクもある。その代表格が、コンピューターシステムの脆弱(ぜいじゃく)性に起因するトラブルなどだ。

 2014年2月、一時は世界最大の仮想通貨取引所でもあったマウントゴックス(MT.GOX)が経営破綻した。顧客から預かっていたビットコインなどは消失したとされている。この件については、経営者が一部の横領などの容疑で逮捕され、裁判が続いている。真相などについては不明点も多い。

 とはいえ、その真相のいかんにかかわらず、顧客のビットコインは返ってこない。預金などと違い、こうしたトラブルに対する救済措置などは整っていない。

 この一件は、仮想通貨自体のリスクというよりも、周辺でサービスを提供している企業の問題、周辺に潜むリスクの話である。ビットコイン自体は、この件の渦中でも粛々と動き続けた。取引も途絶えることはなかったのだ。もちろん、この一件を不安視したユーザーのビットコイン売りは急増し、一時的に価値は急落した。

 仮想通貨の運営システム自体は偽造も改竄(かいざん)も極めて困難であることは前述した通りだ。半面で、周辺には危険もたくさんあるということだ。

 マウントゴックス事件は、日本円などの通貨に例えるなら、銀行の破綻に類するものである。通貨自体は関係ないのだ。銀行の場合は公的資金を活用した銀行自体の救済や、破綻した場合でも一定額までは公的な補償がなされる。仮想通貨にはそうした環境整備はなされていない。株式や外国為替などとも、そのあたりは大きく異なる。

 かつて、磁気カードを使ったプリペイドカードの偽造が大きな問題になったことがある。磁気記録式のクレジットカードがスキミングされて不正に使用されるといった事犯もよくある。

 仮想通貨を利用するような場合は、周辺にあるさまざまな危険にも深い理解が求められる。

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