カンボジア、野菜の増産計画進まず コスト高で販売価格上昇

首都プノンペンの市場に並ぶ野菜。カンボジアは、国産野菜の生産拡大と農業の活性化を図る(ブルームバーグ)
首都プノンペンの市場に並ぶ野菜。カンボジアは、国産野菜の生産拡大と農業の活性化を図る(ブルームバーグ)【拡大】

 カンボジアは、野菜の増産計画が進んでいない。同国農林水産省は、高品質の国産野菜の生産を拡大させ、野菜の輸入を抑制し農業活性化を図る3カ年計画「食料生産プログラム」を、2016年に開始した。1日当たり160トンの国産野菜を市場に供給する目標を掲げている。だが、生産コスト高による価格面の問題などにより、供給量は現在、当初目標の3分の1にとどまっているもようだ。現地紙プノンペン・ポストなどが報じた。

 総事業費2000万ドル(約22億5800万円)の同プログラムは、レタスやトマト、キュウリといった13種類の野菜を対象に、農水省が定めた安全基準にのっとった高品質な国産野菜の生産増を促す。これまでに農家2060軒、260の農業組合が生産契約を交わした。

 同省幹部は、生産者が定められた安全基準に基づき、化学肥料の使用を抑制して野菜を提供するものの、生産コストが安全基準にそぐわない野菜の2倍以上とされるため、販売価格が上昇し、仕入れ担当者が不満をもらしていると指摘する。さらに、消費者は安全な野菜に対する意識が低く、需要が伸びないとされる。

 同幹部は、農家、仕入れ担当者、消費者のそれぞれに課題があるとし、すべてが解決するまでは、同プログラムに基づく野菜は1日当たり50トンしか市場に供給できないとの見方を示した。そのうえで、同プログラムの目標達成に向け、生産コストの引き下げや消費者向けの食の安全に対する意識啓蒙(けいもう)などに注力していくとしている。

 同国は、ベトナムやタイ、中国などから1日500~600トンの野菜を輸入しているとされ、年間輸入額は1億5000万~2億5000万ドルに上る。(シンガポール支局)