首相、デフレ脱却に強い決意 所信表明 教育無償化「一気に進める」

衆院本会議で所信表明演説を行う安倍晋三首相=17日午後
衆院本会議で所信表明演説を行う安倍晋三首相=17日午後【拡大】

 安倍晋三首相は17日午後、特別国会での首相指名を受けた第4次安倍内閣発足を踏まえ、衆参両院本会議で所信表明演説を行った。税制や規制改革などの施策を総動員することで、4年連続の賃金上昇の勢いをさらに力強いものとし、「デフレからの脱却を確実にする」と決意を示した。デフレ脱却に向け生産性革命などを具体化し企業の競争力を高めていく。憲法改正に向け、議論前進への意欲も強調した。

 生産性革命では2020年度までの3年間を集中投資期間と位置付け、「人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による設備や人材への投資を力強く促す」と表明した。人工知能、ロボット、モノのインターネット(IoT)への投資で、「生産性を劇的に押し上げるイノベーションを実現する」と述べた。

 生産性革命と教育無償化などの人づくり革命を「車の両輪」と位置付け、来月に新たな経済政策パッケージを策定すると言及。特に幼児教育の無償化について「一気に進める」とし、待機児童解消へ受け皿の整備を前倒しで進める必要性を説いた。19年10月の消費税率10%への引き上げによる増収分の使途を変更し、子育て世代や子供たちに投資する考えを前面に掲げた。一方、財政健全化を目指す姿勢は引き続き堅持する考えも示す。

 北朝鮮情勢をめぐっては「わが国を取り巻く安全保障環境は戦後、最も厳しいと言っても過言ではない」と指摘した。11月上旬に来日したトランプ米大統領との会談に触れ「日米同盟の揺るぎない絆を世界に示した」とアピール。改憲については「与野党の枠を超えて、建設的な論議を行い、共に進んでいこう」と呼び掛けた。