【紅い統一工作(上)】「中国が2020年までに台湾侵攻の準備を終える」 暴かれた習近平指導部の計画 (1/5ページ)

  • 1970年に発行された「台湾省通志」。「台海使槎録」の釣魚台を尖閣諸島とは別の島だと認定する記載があった(石井望・長崎純心大准教授提供。赤線は石井氏が記入)

 今年10月、米国で出版された一冊の書籍によって、中国の習近平指導部が準備を進めている「計画」が暴かれた。

 「大規模なミサイル攻撃の後、台湾海峡が封鎖され、40万人の中国人民解放軍兵士が台湾に上陸する。台北、高雄などの都市を制圧し、台湾の政府、軍首脳を殺害。救援する米軍が駆けつける前に台湾を降伏させる…」

 米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」で、アジア・太平洋地域の戦略問題を専門とする研究員、イアン・イーストンが中国人民解放軍の内部教材などを基に著した『The Chinese Invasion Threat(中国侵略の脅威)』の中で描いた「台湾侵攻計画」の一節だ。

 イーストンは「世界の火薬庫の中で最も戦争が起きる可能性が高いのが台湾だ」と強調した。その上で「中国が2020年までに台湾侵攻の準備を終える」と指摘し、早ければ、3年後に中台戦争が勃発する可能性があると示唆した。

 衝撃的な内容は台湾で大きな波紋を広げた。中国国内でも話題となった。

 「具体的な時間は分からないが、台湾当局が独立傾向を強めるなら、統一の日は早く来るだろう」

 国務院台湾弁公室副主任などを歴任し、長年、中国の対台湾政策制定の中心となってきた台湾研究会副会長、王在希は中国メディアに対し、イーストンの本の内容を半ば肯定した。

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