東芝株、一時6.5%安 増資で1株利益薄まる懸念

東芝本社が入るビル=東京都港区
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 週明け20日の東京株式市場では経営再建中の東芝の株価が反落し、終値は前週末終値比17円(5.8%)安の275円だった。東芝は前日に約6000億円の増資を発表しており、既存株主の1株あたりの利益が薄まる「希薄化」への懸念を背景に売りが優勢となった。一時は19円(6.5%)安の273円まで下げた。

 約6000億円と巨額の増資となることから、1株あたりの利益の希薄化が嫌気された。ただ今回の増資で、半導体子会社の売却が来年3月末に間に合わなくても上場廃止となる2期連続の債務超過は回避できる見通しとなったとの見方から、朝方に前週末終値と横ばいまで戻す場面があった。

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「増資によって東芝の財務基盤が安定すると評価する向きが一部であったが、希薄化を嫌気した売りがかさんだ形だ」と話した。