中国IT企業の株価上昇目立つ 米フェイスブックに匹敵

 【上海=共同】中国のIT関連企業の株価上昇が目立っている。通信アプリ「微信(ウェイシン)」を運営する騰訊(テンセント)の株式時価総額は米フェイスブック(FB)に匹敵する水準に上昇。ネット通販大手のアリババグループも伸びている。最先端のIT技術への投資にも積極的で、世界での存在感が大きくなっている。

 米メディアなどによると、香港取引所に上場するテンセントの時価総額は20日、中国企業として初めて5千億ドル(約55兆8千億円)を突破。21日にはFBを上回る約5230億ドルに達し、米アマゾン・コムに迫った。

 テンセントの株価は年初の2倍超と、うなぎ上り。中国政府がLINE(ライン)など海外の通信アプリを規制する中、微信の利用者は中国を中心に増加し、9億8千万人を達成した。24日の時価総額は5058億ドルとやや下げて、5311億ドルのFBを下回った。

 テンセントはゲーム事業も成長し、海外のゲーム会社も買収した。人工知能(AI)や電気自動車(EV)分野にも投資。日系証券会社幹部は「投資家に期待感を持たせる姿勢が買われている要因だ」と話す。

 ニューヨーク市場のアリババの株価も年初と比べ2倍以上になった。11月11日の「独身の日」セールで過去最高の1682億元(約2兆8400億円)の取引額を記録。今後は中国系の人口が多い東南アジアを軸に海外展開を加速させ、ネット金融部門の拡充も図る。

 米ナスダック市場に上場しているネット検索大手、百度(バイドゥ)の株価も伸びた。AIを活用した自動運転技術の開発に力を入れている。