毎分90万円、現金払い加速 テスラ「モデル3」投資などかさむ

テスラの新型セダン「モデル3」=米ネバダ州(ブルームバーグ)
テスラの新型セダン「モデル3」=米ネバダ州(ブルームバーグ)【拡大】

 ブルームバーグの試算によると、米電気自動車(EV)大手テスラが過去12カ月で現金を支出したペースは1分当たり約8000ドル(約90万円)となり、このペースでいけば、来年8月6日に現在の保有現金を使い尽くす見通しだ。

 公平を期すために補足すると、現金支出がこのような急速なペースで続いていくと予想するテスラウオッチャーはほとんどいない。また、同社は新型セダン「モデル3」を増産する方針を示しているため、それにより収益がもたらされる見通しだ。投資家も懸念する様子はない。

 テスラの時価総額は11月21日時点で530億ドルと米フォード・モーターの480億ドルを上回っている。

 それでも、テスラのマスク最高経営責任者(CEO)が資金を調達する新たな計画を明らかにしたことで、同社の現金の必要性が浮き彫りとなった。同社が11月に披露したスポーツカー「ファウンダーズ・シリーズ・ロードスター」と電動の「セミ」トラックは数年納車されない可能性があるが、同氏はこれらの車を発注する顧客に前払いするよう求めている。

 ロードスターの納車は2年余り先になりそうだが、購入には頭金25万ドルが必要となる。注文は1000台に限定されているので、これだけで2億5000万ドルを稼ぐことができる。セミトラックは5000ドルで予約注文できるが、生産に入るのは2019年だ。

 だが、こうした金額もテスラの資金ニーズと比較するとごくわずかだ。モデル3生産への大規模投資のため、同社の四半期当たりの現金支出は10億ドルを超える。価格3万5000ドルのモデル3が、すぐに収益を生み出す可能性は低いように見える。

 テスラは株主宛て書簡で来年3月末までにモデル3を5000台生産するという目標を達成するのに十分な資金があると主張。それ以降は「営業活動から大きなキャッシュフローを創出」する見込みだと説明している。(ブルームバーグ Nabila Ahmed、Sally Bakewell)