中国の「市場経済国」に反対 米、WTOに通知 両国関係に影も

米商務省は10月、中国製アルミ板材に反ダンピング関税を課す仮決定を下した(ブルームバーグ)
米商務省は10月、中国製アルミ板材に反ダンピング関税を課す仮決定を下した(ブルームバーグ)【拡大】

 米国は世界貿易機関(WTO)に対し、中国が市場開放の約束を守っていないとして、「市場経済国」の地位認定に正式に反対すると通知した。継続中の中国と欧州連合(EU)の紛争について米国が第三者としての見解を通知したもので、米政府はその文書を11月30日に公表した。

 中国は2001年にWTOへ加盟するにあたり、当初15年間は非市場経済国として扱われる規定を受け入れた。昨年12月で15年が経過し、加盟議定書の非市場経済国としての取り決めは昨年で失効したと主張してきた。

 認定見送りは米中関係に一層大きな影を落とす可能性がある。トランプ米大統領は中国の不公正な貿易慣行に厳しい姿勢で臨むとする選挙戦中の公約実現と、北朝鮮の脅威に対する中国との協力でバランスを取ろうとしている。

 米政府は今回の文書で、WTOの規定は15年が経過したからといって、反ダンピング関税の算出方法の変更を求めていないと論じている。

 文書公表日に行われた記者団向けの電話会議で米高官は、議定書は中国が当初15年は非市場経済国として扱われることを原則、取り決めたものだと説明。規定した期間経過後に中国は他のWTO加盟国と同様の取り扱いを受けるはずだが、状況次第で中国がまだ非市場経済国として扱われる可能性があるということだと話した。

 米国とEUはこの規定の下、中国が公正価格を下回る水準で製品を輸出したかどうかを判断する上で、第三国の価格を用いて反ダンピング関税を算定。これにより中国からの輸入品に対する関税を引き上げることが可能となっている。

 WTOのキース・ロックウェル報道官は、中国の市場経済国の地位を認定しないとする今回の米国の通知が、今後、継続中の中国と米国、EUの紛争にどのような意味を及ぼすかは定かでないと話した。(ブルームバーグ Bryce Baschuk)