印で「一生一度」の投資好機 銀行不良債権23.2兆円切り離しへ

ムンバイにあるインド準備銀行(中央銀行)。銀行業界の不良債権処理で重要な役割を果たす(ブルームバーグ)
ムンバイにあるインド準備銀行(中央銀行)。銀行業界の不良債権処理で重要な役割を果たす(ブルームバーグ)【拡大】

 インド政府が最近の破産法改革、国営銀行への資本注入策に続き、2070億ドル(約23兆2000億円)にも上る銀行業界の不良債権切り離しに乗り出す。銀行の不良債権はインドの成長を阻害する要因だが、その一方で、有望な投資先ともみられている。

 破綻規模が国内最大級だった50社前後の資産と負債が国の指名を受けた管財人によって1年以内に売却される可能性があり、その過程で銀行は大幅な債務減免を実施する見通し。これら企業の借入総額は3兆ルピー(約5兆円)に達し、銀行システム全体が認識する不良債権総額の3分の1近くに及ぶとみられる。

 個人資産102億ドルを保有するコタック・マヒンドラ銀行のマネジングディレクター、ウダイ・コタック氏は1日までにインタビューに応じ、「全体の破綻処理プロセスは一生に一度しかないようなイベントだ。これを通じ、長期的には不釣り合いなほどのリターンをもたらす資産を入手できる可能性がある」と述べた。同氏によれば、コタック・マヒンドラ傘下のファンドはとりわけ鉄鋼などの業界に注目。売却資産の価格設定に関しては、2018年3月末までにより明確になるはずだという。

 コタック氏は、新たに設立された会社法審判所で破綻処理が決定される企業向けの減免措置で、融資してきた銀行は最大60%の損失を被る公算が大きいとみている。

 コタック氏によると、この破綻処理プロセスには、中東や東南アジアの政府系ファンド(SWF)、外国の年金基金などが関心を示している。同氏は具体名を挙げなかったものの、これまでにTPGやKKR、ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)、クリアウォーター・キャピタル・パートナーズなどがインドの不良資産に投資する可能性があると表明している。(ブルームバーグ Anto Antony、George Smith Alexander)