時限減税やヘルスケア焦点 米上下両院税制案、一本化作業へ

 米上院での2日の税制改革法案可決を受け、上下両院は可決済みの下院案との一本化作業に入る。両院による交渉は税額控除の失効時期や代替ミニマム税(AMT)、ヘルスケアが焦点となりそうだ。

 両院協議会で法案一本化後に再度上下両院で可決される必要があるため、共和党はすり合わせの交渉で譲歩したとしても、造反議員を下院で22人、上院で2人以下に抑える必要がある。

 両院案には多くの一致点があるものの、簡単に解決できない重要な相違も幾つか存在する。大きな不一致点は以下の通り。

 【時限減税】

 下院案:扶養家族1人当たり300ドル(約3万3800円)の家族税額控除は2022年までの時限措置。

 上院案:基礎控除倍増など全ての個人税控除は25年までの時限措置。州・地方の所得税および売上税控除の廃止も25年までとする。

 【パススルー事業体の税優遇措置】

 下院案:パススルー事業体の所得税率は一部制限付きで25%とする。一部の低所得事業体については9%を適用。

 上院案:パススルー事業体の控除は23%とするが、25年末で失効するなどの制限がある。

 【代替ミニマム税(AMT)】

 下院案:個人と法人の双方を完全撤廃。

 上院案:維持するが、個人の控除を26年まで引き上げる。法人のAMTは現状のままにする。

 【医療保険制度改革法(オバマケア)が定める個人の保険加入義務】

 下院案:義務に関する措置なし。

 上院案:保険に加入しない個人への罰金をなくすことで実質廃止。

 備考:下院共和党の大多数が同義務の廃止を支持していることを考えれば、争点にはならない。しかし穏健派の票が必要になる場合は注意が必要だ。ライアン下院議長は先週、この措置が採用されるかどうかについてコメントを控えた。

 【企業の設備投資】

 下院案:設備投資の即時償却を5年間適用。

 上院案:5年間適用した後、すぐに打ち切るのではなく段階的に撤廃。

 【住宅ローン利子控除】

 下院案:住宅ローン利子の控除が適用されるローン総額の上限を従来の100万ドルから50万ドルに半減する。

 上院案:現行の100万ドルを維持。(ブルームバーグ Sahil Kapur)