人工衛星で安否確認 政府、来年度から5自治体で試験導入へ

人工衛星(イメージ)
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 政府が、大規模災害などが発生した際に人工衛星を活用して被災者の安否情報を把握する「衛星安否確認システム」について、平成30年度から全国5自治体で試験導入する方針を固めたことが5日、分かった。試験導入を経て、33年度の本格導入を目指す。システムは災害時だけでなく、北朝鮮の弾道ミサイル発射による被害発生時も有効利用できるとされる。

 試験導入するのは、今夏に打ち上げられた準天頂衛星「みちびき3号機」を利用したシステム。避難所などに設置した管理端末に避難者の名前などの情報を入力すると、衛星通信を通じて内閣府の管制局に送信される。管制局が集約した情報を専用のインターネットサイトで公開。自治体の災害対策本部などが住民の避難先や安否確認を把握でき、支援物資などを効率的に送ることが可能になる。

 23年3月の東日本大震災では、携帯電話の基地局が被災して通話が不能となり、被災者の安否確認の際の障害となった。政府は大規模災害発生時には同様の事態が懸念されることから、衛星通信の活用を検討してきた。

 政府は今年11月、南海トラフ地震が発生した際、津波による被害が想定される和歌山、高知両県で実証実験を行った。システムが円滑に運用されたことから、5自治体で試験的に導入することにした。年内に開かれる宇宙開発戦略本部(議長・安倍晋三首相)で正式決定される見通し。

 5自治体をどこにするかは今後、選考などを通じて決定する。政府は来年度からの試験導入の結果を踏まえ、33年度には20自治体で本格導入したい考えだ。