アイルランド国境問題妨げ 英EU離脱交渉、通商移行足踏み

 英国のメイ首相と欧州連合(EU)欧州委員会のユンケル委員長は4日、ブリュッセルで会談したものの、離脱交渉を通商問題へと進めるためのハードルを越えることができなかった。土壇場でアイルランド国境問題が障害になった。

 アイルランドのバラッカー首相によればアイルランドと北アイルランドの国境についての解決策に、英国とEUは午前に合意していた。しかしメイ首相がユンケル委員長との会談中に北アイルランドの民主統一党(DUP)のフォスター党首との電話に立ち、合意は崩壊した。少数与党となったメイ首相の政権への協力者であるDUPは、EUと英国の合意案に反対し、北アイルランドに英国全土と異なる条件が適用される合意は断固受け入れられないと表明した。

 メイ首相の中座後すぐ、ユンケル委員長が登場し、「完全な合意に達することができなかった」との短い声明を発表した。

 アイルランド政府関係者は、これで年内の合意は難しくなったと述べた。首脳らが、交渉が十分に進展したと宣言しない限り、協議は通商と移行期の問題へと進むことができない。バラッカー首相は、12月の首脳会議で離脱交渉の進展を宣言できない場合は1月に再びサミットを開く可能性に触れた。(ブルームバーグ Ian Wishart、Tim Ross)