上海市長寧区政府は先ごろ、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)、通信キャリア大手、中国聯通(チャイナ・ユニコム)上海支社の2社と協力枠組み協定を締結し、区内に共同で「華為聯通人工知能(AI)科学技術革新モデルセンター」を設立することで合意した。同区は今後、AI産業の集積地「虹橋智谷(インテリジェント・バレー、Iバレー)」を建設する計画で、同センターをその重要拠点の一つにする。
協定によると、同区は華為、中国聯通の両グループの先端技術や産業リソースを同センターに配置し、AI分野を中心に、潜在成長力のあるスタートアップ企業やイノベーション企業の育成、特色あるリーディングカンパニーの誘致を加速。上海AI産業のイノベーション発展を担う新たな重要拠点にしていく。
同区は近年、ソフトウエア・情報サービス業が安定成長を続け、2016年には同分野の売上高が700億元(約1兆1900億円)を超えた。
関連企業は現在1000を超えるといわれ、クラウドコンピューティングやビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などに携わる企業が集積。携程旅行網(シートリップ)や、共同購入サイトと評価掲載サイトを運営する「美団点評」といった影響力のある企業も多数本社を構えている。
「虹橋Iバレー」には今後、「長寧AI産業イノベーションビル」や上海交通大学の「緑地AI産業研究インキュベーション基地」なども重要拠点として建設していくという。(中国新聞社)