東証、今年最大445円安 米の中東政策懸念、アジア株全面安

 6日の東京株式市場の日経平均株価は3日続落した。終値は前日比445円34銭安の2万2177円04銭で3週間ぶりの安値を付け、下落幅は今年最大だった。エルサレムをイスラエルの首都に認定する方針を決めたトランプ米大統領の中東政策を懸念する売り注文が膨らんだ。

 下げ幅は、米大統領選の開票速報が伝わって「トランプ・ショック」に見舞われ919円安となった昨年11月9日以来の大きさ。6日は上海、香港、台湾、韓国などのアジア株もほぼ全面安となった。外国為替市場の円相場は円高ドル安が進行した。

 東証株価指数(TOPIX)は25.55ポイント安の1765.42。出来高は約17億9100万株。

 法人税減税を柱とする米税制改革の行方を見極めようと買いが手控えられ、東京市場は取引開始直後から売りが優勢だった。トランプ氏の首都認定方針にイスラム諸国が反発して中東情勢が緊迫化するとの不安が広がり、平均株価は下げ幅が徐々に拡大して午後には一時500円超下げた。

 最近調子の良かった銘柄も売りに押され、三菱UFJフィナンシャル・グループ株は11営業日ぶりに下落した。

 平均株価は今週に入り、ロシアによる米大統領選干渉疑惑の捜査がトランプ政権中枢に広がるとの観測もあって低調に推移している。岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、エルサレムの安定は宗教間の微妙なバランスの上に成り立っていると強調し、「トランプ氏は何をしでかすか分からないと市場は改めて警戒している」と話した。