太平洋クロマグロ討議のWCPFC閉幕 資源に応じて枠増減 新規制承認へ

運搬船から降ろされるクロマグロ=鳥取県境港市の境港
運搬船から降ろされるクロマグロ=鳥取県境港市の境港【拡大】

 フィリピン・マニラで開かれていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)年次会合が7日、閉幕。太平洋クロマグロについて、資源の回復状況に応じて漁獲枠を増減させる新規制の導入が承認される見通し。回復が順調なら漁業者が望む枠拡大が2019年にも実現する。カツオの不漁に悩む日本は南太平洋の赤道周辺にある熱帯海域での規制強化を提案したが、周辺国が反対した。

 クロマグロでは、親魚の量の増加確率が60%を下回れば現在の漁獲枠をさらに減らす一方、75%を超えれば枠の拡大を検討できる新規制を導入する。9月に韓国・釜山で開かれた北小委員会で合意していた。資源回復のために削減されていた漁獲枠の拡大に一定の道筋を示した。

 一方、日本は近海で不漁が続くカツオに対し、資源評価の方法見直しや漁船の許可数の削減などの規制強化を提案した。会合には、カツオ資源の維持・回復に取り組む「高知カツオ県民会議」(会長・尾崎正直高知県知事)も出席し、窮状を訴え、理解を求めた。