右肩下がりの「マールボロ」 歯止めは加熱式たばこ (1/2ページ)

米テネシー州ナッシュビルの店舗に並ぶ「マールボロ」のカートン(ブルームバーグ)
米テネシー州ナッシュビルの店舗に並ぶ「マールボロ」のカートン(ブルームバーグ)【拡大】

 たばこの有力ブランド「マールボロ」がかつての勢いをすっかり失っている。増税や健康上のリスクが向かい風となり、販売本数は右肩下がり。同ブランドを展開する米たばこ大手アルトリアは、健康被害の少ないとされる加熱式たばこで巻き返しを狙うが先行きは不透明だ。

 アルトリアによると、2017年1~9月のマールボロの売り上げは前年同期比で3.9%減少した。16年の販売本数は1053億本と、1997年の2350億本の半分を下回った。

 健康意識や増税影響

 背景には健康促進のキャンペーンや増税による影響で、たばこ離れが進んだことがあげられる。米国の喫煙率は現在15%。65年の42%から大きく下がった。

 その上、競争は激化している。アルトリアにとって最大のライバルだった米レイノルズ・アメリカンを今年、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が買収し、世界首位の上場たばこ会社となった。マールボロのシェアは奪われつつある。

 マールボロの苦境は、過渡期にあるたばこ業界全体を象徴する。業界はこれまで、出荷本数の低下を埋め合わせるために値上げを繰り返してきた。値上げが奏功し、アルトリアは4~6月期と7~9月期の決算でアナリスト予想を上回る1株利益を上げた。半面、将来に向けた対策としては不十分だとの見方もある。

 ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ケン・シア氏は「シェアが脅かされている中での値上げは続けられない。マールボロの利益を伸ばそうとしても、先は長くない」と苦言を呈する。

リスク軽減を主張