加熱式たばこ税、引き上げ幅判明 5年で段階実施、紙巻きとの税額差縮小

 政府・与党が、2018年度税制改正で増税を検討している「加熱式たばこ」のたばこ税について、メーカー3社ごとの税率の引き上げ幅が8日、明らかになった。各社の税負担は現在、紙巻きたばこの1~8割程度だが、見直しで7~9割程度になる。商品の重さに課税していた現行方式を見直すことで、税額を紙巻きに近づける。増税分が価格に転嫁されれば、値上げにつながる。

 現行制度での加熱式の税負担は、最も低い日本たばこ産業(JT)の「プルーム・テック」が1箱当たり約34円で、紙巻き(1箱約245円)の1割超。見直しではこれを7割程度に引き上げる。

 ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」は約5割から8割程度、フィリップ・モリスの「アイコス」は8割弱から9割程度になる。見直し後は加熱式間で最大で約6倍もの開きがあった税額差が大きく縮まる。

 加熱式の増税方針は、来年度から21年度にかけ1本当たり3円増税する紙巻きの引き上げとともに、18年度の与党税制改正大綱に盛り込む。ただ、急速に普及が進む加熱式の市場への影響にも考慮して、加熱式の増税は22年度まで5年かけて段階的に行う方針だ。

 加熱式は現在、税法上の「パイプたばこ」に分類され、葉タバコが詰められたスティックやカプセルの重さの1グラムを、紙巻き1本(税額12.24円)に換算して課税されている。見直しは課税を葉タバコの量や価格などに基づく新方式に変更することで実現する。

 政府・与党は加熱式の価格が420~460円と一般的な紙巻き(440円)とほぼ変わらないにもかかわらず税額が低いことや、各社のスティックの重さの違いによって製品間の税額差が大きいことを問題視している。