税制改正 一般社団法人の相続税逃れ対策を強化

平成30年度税制改正大綱について、会見した自民の宮沢洋一(左)、公明の斉藤鉄夫両税調会長=14日午後、東京都千代田区の衆議院第二議員会館(飯田英男撮影)
平成30年度税制改正大綱について、会見した自民の宮沢洋一(左)、公明の斉藤鉄夫両税調会長=14日午後、東京都千代田区の衆議院第二議員会館(飯田英男撮影)【拡大】

 一般社団法人を使った相続税逃れを防ぐ対策も強化する。一般社団法人に移した不動産などの資産には相続税が課されないことから、法人を隠れみのにして親族間で資産を受け継ぎ課税を逃れるケースが目立つ。親族が役員の多くを占める法人の財産には相続税を課し、抜け道を封じる。

 一般社団法人は企業の株式に相当するような持ち分が存在せず、財産を贈与しても相続税の課税対象外。このため資産を持つ親が法人を設立して役員に就き、資産を移転して子供らに役員を継がせ、相続税を免れる手口が指摘されている。

 一般社団法人は平成20年の公益法人制度改革で登記だけで設立できるようになり、これを悪用した相続税逃れも広がっている。改正では、同族で役員の過半を占める一般社団法人で同族役員が死亡した場合、法人が持つ財産を対象に相続税をかけられるようにした。