【税制改正】東京から地方へ移転した企業を支援「地方拠点強化税制」を拡充

 平成30年度税制改正では、東京から地方に本社機能などを移転した企業に対する税負担を軽減する「地方拠点強化税制」を拡充する。現在は、東京近郊や中部、関西の一部都市への移転は除外しているが、支援対象となる移転先として新たに愛知県、京都府、大阪府、兵庫県を加える。今回の制度の見直しにより、首都圏の一部都市を除き全国がほぼカバーされる。東京一極集中を是正する狙い。

 地方移転企業の優遇措置は、東京23区から事務所や研究開発拠点を地方に移した場合、建物取得価格の一定額を法人税から差し引ける仕組み。安倍晋三政権が掲げる「地方創生」を税制面から後押しする目的で、27年度に導入された。

 30年度改正では、支援期間を31年度まで2年間延長した上で、新たに対象となる地域を広げる。この税制については関西や中部の経済界が拡充を求めていた。