【税制改正】個人向け増税で消費増税に道筋 軽減税率財源に一定のめど (1/4ページ)

平成30年度税制改正大綱について、会見で説明する公明の斉藤鉄夫(右)、自民の宮沢洋一両税調会長=14日午後、東京都千代田区の衆議院第二議員会館(飯田英男撮影)
平成30年度税制改正大綱について、会見で説明する公明の斉藤鉄夫(右)、自民の宮沢洋一両税調会長=14日午後、東京都千代田区の衆議院第二議員会館(飯田英男撮影)【拡大】

 平成30年度税制改正は、例年以上に個人向けの増税項目が並んだ。10月の衆院選前は安倍晋三政権の支持率低下を背景に所得税改革やたばこ税増税を見送る方針だったが、与党の圧勝を受け一気に増税路線に傾いた。懸案の消費税の軽減税率の財源確保にも一定のメドが立ち、31年10月に控える消費税率10%への引き上げにも道筋を付けた。だが、断続的な増税は個人消費を冷え込ませ景気回復の足を引っ張る懸念もある。(今井裕治)

 焦点だった所得税改革について、大綱では、年収850万円超の会社員や高収入の年金受給者を増税する一方、自営業やフリーで働く人を減税する仕組みを盛り込んだ。ただ、増税になる年収850万円超の会社員らでも、子育てや介護世帯を増税対象から外した。実際の増税対象者は独身の高所得者や、高収入の年金受給者らに限られることから、税制改正に向けた議論の過程でも特段、大きな批判を招かずに、900億円もの税収増を捻出できた。