EUと中国の対立激化か EU側が中国製品のダンピング認定に新基準 ゆがんだ価格に対抗 (1/2ページ)


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 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)が域外からの輸入品に対するダンピング(不当廉売)を認定する新たな判断基準を導入した。国家が介入し、市場価格がゆがめられた中国製品への対抗が主眼だ。中国側は反発を強めており、貿易をめぐる双方の対立は一段と激化しそうだ。

 新基準は20日発効した。輸入品の市場価格が輸出側の国家の関与で「大きくゆがめられている」と認められた場合、通常とは異なる適正価格の算定法を使い、不当に安価で販売されているとの認定をしやすくした。

 欧州委員会は同日、中国に関し、国家が企業の資金調達や市場価格などに大きな影響力を持ち、市場価格に「重大なゆがみ」が生じていると結論づける報告書も公表した。

 新基準導入の背景にあるのは、世界貿易機関(WTO)における中国の「市場経済国」認定問題だ。中国は国家が市場に強い影響などを及ぼす「非市場経済国」として扱われてきたが、この条項は2016年12月に失効。中国はEUに市場経済国への認定などを求め、WTOに提訴していた。

 非市場経済国の不当廉売を認定しやすい制度を採用していたEUが同制度を維持すれば、WTO協定違反となりかねない。このため、判断基準を「市場経済国か否か」から、国家介入による「ゆがみの有無」に切り替え、実質的に中国の不当廉売に対する防衛手段を維持した形だ。