粗末な船でも遠洋漁業…強いられる「漁獲戦闘」 漂着船多発で見える北朝鮮の無謀な計画 (1/6ページ)

秋田・由利本荘の海岸に漂着した、北朝鮮のものとみられる木造船。こうした事案が日本海岸に多発している。(写真=時事通信フォト)(PRESIDENT Onlineより)
秋田・由利本荘の海岸に漂着した、北朝鮮のものとみられる木造船。こうした事案が日本海岸に多発している。(写真=時事通信フォト)(PRESIDENT Onlineより)【拡大】

 北朝鮮籍の漁船が、日本海沿岸に相次いで漂着している。これまでも毎年発生していたが、先月には前年同時期の4倍を記録。北海道では発電機を盗んで逮捕された乗員らが、係留されていた船舶で逃走するという事件も起きた。異常事態の背景には、金正恩政権の「漁獲戦闘」という無謀な計画があるという--。

 「より多くの魚を捕まえよ」という指示

 北朝鮮の漁船が、日本海沿岸に相次いで漂着している。海上保安庁の集計によると、漂流・漂着が確認された北朝鮮船舶に関する事案は、2013年から今年12月にかけて合計299件にのぼっている。今年11月は前年同時期に比べ4倍にも増え、28件となった。12月8日には、北海道・松前小島に上陸し、発電機などを盗んだ疑いで調査を受けていた北朝鮮漁船の乗組員らが、係留されていた船舶で逃走を図り、海上保安部に改めて追跡・拿捕されるという事件もあった。

 北朝鮮漁船の漂流・漂着が頻発している理由について、日本および海外の北朝鮮専門家らは、最高指導者である金正恩氏、そして北朝鮮政府が掲げる水産業に関する国家的指針と深く関係しているのではないかと分析している。

 金正恩氏は2011年に政権の座に就いた後、毎年11月から12月にかけて、人民軍傘下の水産事業所(水産業の拠点)を欠かさず訪問している。そして「より多くの魚を捕まえ、全国の保育園、小中学校、老人ホームに届ける」(朝鮮中央テレビ)ことを目標として、関係各所に増産を指示している。今年は国家の年間重要課題を示唆する「新年の辞」でも「水産業を画期的に発展させ、人民生活の向上に大きな前進をもたらさなければならない」と強調した。

「1分1秒を惜しみながら一匹でも多く魚を捕まえろ」