米個人所得増、消費に回る 11月の貯蓄率10年ぶり低水準

米シアトルにある高級百貨店のノードストローム。米国の消費者は貯蓄を抑え、食事や買い物を楽しむ傾向を強めている(AP)
米シアトルにある高級百貨店のノードストローム。米国の消費者は貯蓄を抑え、食事や買い物を楽しむ傾向を強めている(AP)【拡大】

 米国の消費者が貯蓄を抑えてまで食事や買い物を楽しむ傾向を一段と強めている。米商務省によると、11月の米個人貯蓄率は2.9%と10年ぶり低水準に低下した。一方、個人消費支出はインフレ調整済みの実質ベースで0.4%増加した。

 消費支出が着実に伸びる状況下での貯蓄率の低下は、逼迫(ひっぱく)した労働市場が所得を押し上げ、消費者が自らの債務返済能力に自信を強めつつあることを示している。半面で、家計のやりくりが将来厳しくなった場合への備えが不十分となるとの懸念を招く可能性もある。

 バークレイズのエコノミスト、プージャ・スリラム氏は22日のリポートで、「活力ある労働市場と安定した個人所得、堅調な消費者信頼感のデータから、今年第4四半期の個人消費は力強い数字になると見込んでいる」と述べた。同時に、貯蓄率の低下で「消費が加速する余地は抑えられるだろう。他の事情が全て同じであるとすればだ」と指摘した。

 貯蓄率は2015年10月の水準の半分未満に低下している。ただ、米住宅バブルがピークを迎えたころである05年に記録した過去最低の1.9%よりは高い水準を保っている。(ブルームバーグ Katia Dmitrieva)