8割短縮、米IPO迅速化 非公開の登録書提出容認が後押し

米ニューヨーク証券取引所で取引開始のベルを鳴らすセイルポイントの経営幹部ら=11月17日(ブルームバーグ)
米ニューヨーク証券取引所で取引開始のベルを鳴らすセイルポイントの経営幹部ら=11月17日(ブルームバーグ)【拡大】

 企業が米国で新規株式公開(IPO)する際、発表から取引開始までの期間が大幅に短縮している。かつて同期間は7カ月を要していたが、今では50日もかからない。

 IPO手続きの迅速化は、最初の登録書を非公開で提出する「コンフィデンシャル・ファイリング」を全ての企業に認めた米証券取引委員会(SEC)の決定によるところが大きい。

 このプロセスはもともと、オバマ政権時代の2012年4月に成立した起業促進支援法(JOBS法)の一部として小規模事業者を支援することが目的だったが、7月10日から全ての企業に適用対象が広がった。公開市場の魅力を高め、IPOの効率化を目指す規制当局の試みの一環だ。

 ブルームバーグが集計したデータによると、IPOの発表から取引初日までにかかる日数は15年以降で約8割短縮された。

 特にテクノロジー業界の企業はここ数年、私募による資金調達を好み、公開市場を敬遠している。非公開の登録書提出により、企業は投資家向けプレゼンテーションのプロセスで反復的なアプローチが可能になる。機密情報を競合他社に知られることなく、企業は投資家からのフィードバックを基にプレゼンテーションを調整できる。

 SECのジェイ・クレイトン委員長は9月に開かれた上院銀行委員会の公聴会で「公開日よりもかなり前の時点で財務情報や戦略、リスクの全てを知られると、一部の企業はIPOをためらってしまう」と証言。「これは投資家保護を少しも緩めることなく、実際に投資家の機会を増やすという点で非常に賢明な措置だ」と述べた。(ブルームバーグ Brandon Kochkodin、Alex Barinka)