ドバイ拠点のカリーム、パキスタンで配車事業拡大 ネット浸透が後押し

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点とする配車サービス大手カリームは、南アジア第2の経済国パキスタン市場に本格参入する。同国の中間所得層に照準を定め、30都市にサービスを拡大する計画だ。

 ◆30都市へ進出計画

 米同業ウーバー・テクノロジーズなどと競合するカリームはアプリを介して自動車やオートバイ、それに人力車を利用できる。同社のマネジング・ディレクター、ジュナイド・イクバル氏は27日までにインタビューに応じ、今後3年でサービス地域を現在の10都市から拡大する計画を明らかにした。

 パキスタン経済は、過去2年の武装勢力の活動の顕著な減少と歩調を合わせた個人消費の拡大を背景に、上昇基調をたどっている。2013年に起きた国際収支危機を救済するための国際通貨基金(IMF)による66億ドル(約7480億円)規模のローンを完済し、昨年は5%近い成長を記録した。

 とはいえ、輸出は周辺国に後れを取る中、同国の経常赤字は拡大。外貨準備も徐々に減少しており、再びIMFによる支援が必要になりかねないとの観測も浮上している。

 それにもかかわらず、同国の通信政策当局によると、携帯電話の普及率は2億人の国民の約71%に達している。イクバル氏は「スマートフォンの普及率やインターネット利用者は増加を続けている。数年後には膨大な人口がこれらの利用に精通するだろう」と述べた。

 最近汚職で逮捕されたサウジアラビアのアル・ワリード王子や独自動車大手ダイムラーなどが出資しているカリームは中東、北アフリカ、南アジアの100都市以上で事業を展開。パキスタンには15年に参入した。イクバル氏は20年までに同国に1億ドルを投資し事業内容を多様化するという。

 ファンドマネジャーやパキスタンの放送局でニュースアンカーを歴任した同氏は電子商取引(EC)などへの事業多角化を通し、20年までにパキスタンでの事業でカリームの黒字化を図るという。

 ◆EC10億ドル市場へ

 パキスタンのEC市場は、ダラズやケイム、ヤイボなどさまざまなネット安売り企業が参入したことを受けて急速に成長している。

 同国の通信政策当局によると、2年前に1億ドルを下回っていた市場規模は20年までに10億ドルに拡大する可能性があるとしている。中国の電子商取引大手アリババグループも同国での事業展開に関心があると表明している。

 同国中央銀行によると、16会計年度の電子商取引のカード決済が94億ルピー(約91億円)に達した。ネット販売業者ヤイボのトップ、アダム・ダウド氏は「ネット利用者は急増しており、成長への舞台は整った」と話した。(ブルームバーグ Kamran Haider)