主要中銀、細心の緩和縮小 市場混乱回避 来年も同時成長へ

 世界の中央銀行は長期間続いた金融緩和政策からの正常化を進めるに当たり、市場が混乱しないよう細心の注意を払っている。米連邦準備制度理事会(FRB)や中国人民銀行による利上げをはじめ、複数の中央銀行は今月、金融政策の引き締めに動いた。しかし、こうした動きは総じて事前に十分意図が伝えられていたか、極めて小幅で、将来の行動に関する文言も断定的な表現を極力避けるようにしてあったため、金融市場に波紋が広がることはほとんどなかった。

 BNPパリバの北米担当チーフエコノミスト、ポール・モーティマリー氏は中銀当局者について、「彼らは市場を動揺させるのを恐れている」とし、金融政策の「緊急時体制からいずれも極めてゆっくりと退却しようとしている」と語った。

 急がないようにしたこのようなアプローチの結果、2018年も世界経済が同時成長する1年となる公算が大きい。

 実際、米連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)は、これまで提供してきた緩和策を緩やかに縮小する方針を示唆しつつも、来年の成長率見通しをそれぞれ上方修正した。

 FRBのイエレン議長は13日、今年3回目となる利上げを決めたFOMC後の記者会見で、「世界経済は好調だ。われわれは景気の同時拡大の局面にあり、それは久しぶりのことだ」と認めた。

 米金融当局の利上げは投資家の間で広く予想されていたが、中国人民銀の動きは寝耳に水だった。だが、利率の引き上げ幅はわずか0.05%と極めて小さかったため、市場も冷静に受け止めた。

 世界経済の上向きにもかかわらず、インフレ加速が見られず、当局の目標を下回っていることから、主要中銀が進めようとする緩和縮小のペースは非常に緩慢だ。

 ECBのドラギ総裁は14日の記者会見で、将来的なインフレ目標達成への自信が深まったと表明。だが、ECBのスタッフ自身も20年までにそれが実現するとは予想していない。

 そして、緩和を徐々に解除する流れの例外的存在の代表は日本銀行だ。(ブルームバーグ Rich Miller、Alessandro Speciale)