ユーロ買い、緩和縮小で弾み 今年も対ドル10%値上がり観測

五十ユーロ札。2018年もユーロが通貨の王座を堅持しそうだ(ブルームバーグ)
五十ユーロ札。2018年もユーロが通貨の王座を堅持しそうだ(ブルームバーグ)【拡大】

 ユーロは2017年、ドルを圧倒するパフォーマンスを見せたが、18年も好調が続きそうだ。

 欧州中央銀行(ECB)が金融緩和策を緩やかに解除すればユーロ高に新たな弾みが付くとみられる中、ユーロ買いは18年のトップトレードの一つに上がっている。ユーロは17年、対ドルで12%上昇し、G10通貨で最高のリターンを記録した。蘭INGグループは18年に10%程度の値上がりを見込んでいる。

 ブルームバーグが調査したストラテジストの予想は、ユーロが18年10~12月期までに1ユーロ=1.21ドルに上昇する見通しが示されており、オプション市場ではそれまでにその水準に達する確率は80%超と見込まれている。

 カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)などユーロ強気派が重視するのはECBのタカ派寄り姿勢だ。INGのチーフ欧州金利ストラテジスト、ペトル・クルパタ氏は、為替市場がECBの行動にかなり先立ってゼロ%の中銀預金金利を織り込むと予想し、「ユーロを押し上げる」要因になると見る。中銀預金金利は現在マイナス0.4%で、14年にマイナス圏入りして以来、ユーロ相場に圧迫要因となっていた。

 CIBCのG10通貨戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏は「マイナス金利を理由に多くの中央銀行がユーロ保有を大幅に縮小してきただけに、中銀預金金利の巻き戻しは大きな意味を持つだろう」と予想した。

 ただ、市場は現時点で、ECBによる利上げを少なくとも19年までは織り込んでおらず、ECBの資産購入プログラムは少なくとも9月まで続く見通しだ。また、ユーロ圏のインフレ率がECBの目標を下回り続けたり、ECB当局者のタカ派寄り発言が弱まったりすれば、強気派にとって期待外れの展開になる可能性もある。

 さらに、ドルにとってのマイナスはユーロ相場にはプラスとなる可能性がある。このため、ロンドンに拠点を置くブローカーのアージェンテックスは、米金融当局の引き締めの道筋が予想よりも緩慢となれば、ドルは一段と売りを浴びやすい展開が考えられるとしている。(ブルームバーグ Todd White、Anooja Debnath)