再開発 景気回復、五輪 要因重なり好機


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 □ジョーンズラングラサール・赤城威志リサーチ事業部長

 東京都心をはじめとする再開発の進展は、複合的な要因が重なった結果だ。

 まずは安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復に加え、国家戦略特区での大規模開発の促進があり、これに2020年東京五輪・パラリンピック開催の決定で強い心理的な後押しが働いた。前回の東京五輪から50年以上が経過し、都市機能の再構築が必要となっているタイミングも重なった。

 近年は人手不足や働き方改革が叫ばれ、各企業が優秀な人材を引きつけるオフィススペースや都市ににぎわいや安らぎをもたらす機能を重視。東京で約1億平方メートルとされるオフィスストックの更新機運が一気に高まっている。

 地方部でも再開発は進みそうだ。訪日外国人客も増加し、政府の掲げる訪日客数4000万人の達成が視野に入ってきたためで、ブラジルやイギリスを見ても、観光客は五輪後に一層増える傾向にある。日本は中間所得層の拡大が見込まれるアジア地域に近いメリットも無視できない。

 懸念材料は、膨らむ需要に対するゼネコン各社の供給力だったが、東日本大震災の復興需要がここにきて緩和され始めた。金融緩和による低金利で、開発事業者が投資額を増やし、ゼネコン各社も再開発に前向きになっている。これほど要因が重なることは珍しく、今は日本の各都市が再開発によって魅力を高める千載一遇のチャンスといえる。都市に資本や人材、ビジネスを集める魅力があってこそ、安定した経済成長が図られる。