政府、経済の実態を踏まえ「中長期試算」の成長前提を見直しへ

※写真はイメージです(Getty Images)
※写真はイメージです(Getty Images)【拡大】

 政府が年2回公表する経済財政に関する中長期試算で、前提としている経済成長と物価の予想見直しを検討していることが5日、明らかになった。2020年度以降、年4%程度を想定する名目成長率と年2%程度とみる消費者物価上昇率を実態に即して下方修正する見通しだ。政府はこの前提をもとに月内に次の中長期試算をまとめ、夏に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化の新たな達成時期目標を示す。

 現在、政府が示している前提は2通り。このうち高成長を見込むケースは20~25年度の名目成長率を3.7~3.9%、物価上昇率を2~2.5%とみる。

 PBは20年度に8兆2000億円の赤字だが25年度には黒字へ転じる。

 これに対し、低成長のケースでは名目成長率1.2~1.6%、物価上昇率を1.1~1.8%とみる。PB赤字は25年度に14兆2000億円まで膨らむ。

 茂木敏充経済再生担当相は5日の記者会見で2通りとも見直す考えを明らかにした。

 政府は高成長ケースでは、足元の物価が1%未満で推移している実情などを踏まえ前提の下方修正を検討する。25年度の黒字化も、後ずれするとみられる。

 一方、政府の財政健全化目標では20年度のPB黒字化を目指してきた。だが19年の消費税増税分の使途を変えたこともあり、目標達成は困難となった。麻生太郎財務相は5日の会見で、新たな達成時期に関し「夏頃までに出来上がるようにしなければならない」とした。