株式バブルの終焉を伝える確かなサイン アメリカの長短金利差でわかる「戌笑う」今年の景気 (1/6ページ)

 相場格言に従えば2018年は「戌(いぬ)笑う」。実際に世界経済は緩やかな成長を続けており、「株高」が続くとの予想が多い。だが、「米国長短金利差」をみると、景気の先行きには不安要素があることがわかる。ついに「株高」の終わりがやってくるのだろうか--。

※写真はイメージです(Getty Images)

※写真はイメージです(Getty Images)

 相場の「干支占い」と政治サイクル

 日本の金融市場では干支(えと)にちなんだ相場格言が存在する。年末年始の経済番組や金融機関主催のセミナー等では、この格言に触れられることが多くなるため、耳にしたことがあるという方もいるだろう。この相場格言を、根拠のない経験則、あるいはオカルト的なものとして一笑に付すこともできる。しかし過去の実績を確認してみると、それなりに当てはまりが良いという話も多いようだ。

 では、相場格言が示唆する経験則が実際に当てはまる、そんな根拠があるとしたら、一体何だろうか。一つ思い当たるのが、政治的なサイクルだ。まず、米国では大統領選挙が4年おきに行われ、その中間では下院の全てと上院の3分の1を入れ替える中間選挙が行われる。加えて、全く同じ年にそれぞれ夏季・冬季オリンピックが重なる。

 日本国内においても、参議院選挙が3年間隔で行われる。従って、4年と3年の最小公倍数となる12年という干支のサイクルが、日米(およびオリンピック)の政治的サイクルと重なる部分が大きくなる。この政治的サイクルが経済、および金融市場に与えるアノマリー(理論的な根拠を持つわけではない経験則)を無視できない以上、相場格言にも一定の耳を傾ける価値があるのかもしれない。

2016、2017年は干支占いが当てはまる