サンマ、半世紀ぶり不漁 17年水揚げ量、海流変化で30%減

 全国さんま棒受網漁業協同組合は、2017年の全国のサンマの水揚げ量について、前年比30%減の7万7169トンだったと発表した。組合に残る資料では、約5万2000トンだった1969年以来ほぼ半世紀ぶりの低水準だった。太平洋でサンマの量が少なくなった可能性がある。海流変化の影響も加わって、日本近海に群れが集まらなかったとみられる。

 品薄になって生鮮品が値上がりし、缶詰など加工品の価格にも波及した。組合の担当者は「高値による消費者のサンマ離れや加工業者の経営不振が心配だ」と話した。

 水揚げが最も多い北海道根室市の花咲港は23%減の2万7237トン、北海道全体では29%減の3万6378トンだった。岩手県の大船渡港は20%減の1万1088トン、宮城県の気仙沼港は28%減の9676トンなどと軒並み落ち込んだ。茨城県は増加傾向だった。

 水揚げしたサンマの10キロ当たりの平均価格は前年より30%高い2776円。東京・築地市場の卸値も17年9~11月は3割前後上がった。マルハニチロなど水産大手はかば焼きといった缶詰の値上げを決めた。やせた魚が目立ち、定食チェーンの大戸屋がサイズに合わせ、秋の季節メニューを値下げする騒動もあった。

 サンマの水揚げ量は30万トンを超えた年もあったが、15年から大不漁が続いた。太平洋沖の排他的経済水域(EEZ)外側の公海上で、中国や台湾の大型漁船が取り過ぎていると心配する声が強く、日本は国・地域別の漁獲枠を設けるよう提案している。ただ、海流や水温の違いで魚の分布が変わった要因も大きく、組合によると、近年は外国船の水揚げ量も停滞しているという。

 サンマの水揚げ量は農林水産省も毎年春に前年の速報値を公表している。集計方法の違いにより、組合統計は同省の数値をやや下回る傾向にある。