19年G20開催地、選考ヤマ場 大阪市有力、愛知・福岡市巻き返しも

 日本で2019年に初めて開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の開催地をめぐり、政府の選考作業がヤマ場を迎えている。多数の首脳級が宿泊できるホテルの数や警備のしやすさなどがポイントで、安倍晋三首相は月内にも決定する見通し。正式に立候補した3カ所のうち有力視される大阪市に対し、愛知県や福岡市も巻き返しを狙う。

 「首相は慎重だ。大阪は有力な選択肢だが、どの候補地も一長一短がある」。政府筋は選考状況をこう説明する。

 政府が決定を急ぐのは、19年が天皇陛下の退位、アフリカ開発会議(TICAD)、ラグビーワールドカップなど重要行事がめじろ押しのためだ。早期から警備面で準備する必要に迫られている。菅義偉官房長官は選定時期に関し「そんなに長引かせるものではない」と指摘する。

 首相周辺は開催条件として(1)警備のしやすさ(2)ホテルと会議場の確保(3)首脳らの専用機を駐機する十分なスペースを持つ空港が近くにあるか-などを列挙する。外務省や警察庁は既に3カ所に職員を派遣し、調査結果を官邸側に報告。G20には計35の国と国際機関が参加する見込みで、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)と比べてけた違いの開催規模。ホテルもスイートルームを含め「3万室」(外務省筋)は必要とされる。警備面も警視庁など全国の警察を巻き込んだ態勢が欠かせない。

 大阪は会場、宿泊施設、空港とも一定程度条件を満たしているとされる。昨年12月28日には、松井一郎大阪府知事らが東京都内で首相や菅氏と会談し、大阪開催に意欲を伝えた。

 ただ懸念材料は拭えない。政府筋は「大阪は25年国際博覧会の誘致がある。大阪ばかりに集中すれば、バランスを欠く」との見方を示す。

 挽回を狙う愛知県はメイン会場の完成時期が19年秋予定なのがネック。大村秀章知事は秋以降の開催をにらみ、熱心に政府、与党へ働き掛けているという。福岡市はホテル客室数の確保などがハードル。同市担当者は「ビジネスホテル利用など工夫すれば3万室を準備できる」とアピールに躍起。高島宗一郎福岡市長が先月23日、都内の首相の私邸を訪ねており、直接要請したとの臆測も広がっている。