日銀国債買い入れ減額で円高に 「出口戦略」か、市場に広がる思惑

 日銀が9日に長期国債の買い入れを減額させたことに伴い、10日の東京外国為替市場では1ドル=111円台後半まで円高が進んだ。昨年は日銀の金融政策にほとんど動きがなかったが、今年は黒田東彦総裁が4月に任期満了を迎えることや、欧米の中央銀行が金融政策を平時の状態に戻す「出口戦略」を進めており、市場関係者から「今年こそ動くのでは」との思惑が広がっている。

 日銀が買い入れを減らしたのは満期まで「10年超25年以下」と「25年超」の国債。いずれも昨年12月28日の前回から100億円減らした。これに市場は大きく反応。円高が進んだほか、日本国債の金利上昇に伴い、米国など海外の長期金利も上がった。エコノミストの豊島逸夫氏の下には、海外投資家などから「これは出口戦略か」といった問い合わせが相次いだという。

 黒田総裁が昨年11月、金融緩和が行き過ぎると逆に悪影響を与えるという「リバーサル・レート」理論を紹介したほか、総裁任期満了の前後に金融政策の変更があるのでは、との観測もある。

 今回の動きについて、日銀が出口戦略を示唆したとの見方に否定的な市場関係者は多いが、動向に注目が集まっているのは事実。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「通常であれば無視される小さな材料にも、市場が反応する年になるだろう」と話している。